夫が人間らしくなった
眠いなぁっといって、
リビングで横になったのだ
ゴロゴロしている
夫は中学生の頃から薬を飲んでいた
心が壊れてる
そう母親に言って、精神科を受診したそうだ
25年くらいも前だから、
今みたいにメンタルクリニックなんてものもなく
受診のハードルも今より高かったはずだ
でも、彼は自分がおかしい
おかしくなりそうだ
そう感じたようだ
そしてそれからずっと薬を飲んでいる
手元にないのは不安
飲み忘れないか不安
何かあったときにと3日分カバンにいれて
心の状態を保ってきた
夜は睡眠薬をのむ
夜中までそれでも眠れない
昼間横になるとますます眠れなくなるのではと
日中は絶対寝ない
横にもならない
座る時は正座
それが今では、
9時半に布団に入って寝ている
睡眠薬の量も減った
朝も起きられるようになった
そして、ついに、
昼寝したんだっ!
と、うれしそうに教えてくれた
よくなるというより
より、自然な状態に戻る、という感じだ
体を緩める場所がある
それは、きっと、とても幸せなことだと思う